佐々木眼科

網膜色素変性症

網膜色素変性症(Retinitis Pigmentosa: RP)は、進行性の遺伝性眼科疾患です。この病気は、網膜の視細胞が徐々に機能しなくなり、最終的には視力低下や失明に至る可能性があります。

💡 概要
RPは、中途失明の主要な原因の一つであり、日本の盲学校では2番目に多い疾患です。厚生労働省によって難病指定されています。
症状
夜盲: 暗い場所での見えにくさ(初期症状として多い)
視野狭窄: 視野が徐々に狭くなる
羞明: 光をまぶしく感じる
視力低下: 最終的に中心視力も低下する

原因
遺伝子変異によって引き起こされる遺伝性疾患です。
遺伝形式には、常染色体顕性遺伝、常染色体潜性遺伝、X連鎖性遺伝の3つのタイプがあります。
家族歴がない「孤発例」も多く見られます。

有病率
国内では約5万人、世界では150万人以上の患者がいると推定。
発症割合は4,000人から8,000人に1人程度の範囲。

🧬 病態と進行
網膜には光を感じる杆体細胞と錐体細胞があり、RPでは主に杆体細胞が最初に障害され、その後に錐体細胞も影響を受けます。

初期の変化
杆体細胞が障害されるため、まず夜盲を自覚。
徐々に周辺視野が狭くなり、物にぶつかりやすくなることも。

進行と合併症
病気が進行すると錐体細胞も障害され、中心視力や色覚に影響。
白内障や黄斑浮腫などの合併症が見られることもあります。
感音性難聴を伴うアッシャー症候群も少なくありません。

🩺 診断と治療
診断には、眼底検査、視野検査に加え、網膜電図(ERG)が中心的な検査となります。現在、根本的な治療法は確立されていませんが、様々な研究が進められています。

進行度と個人差
進行度合いや症状の出方には大きな個人差があります。
同じ病名でも症状や進行度が異なるため、定期的な検査で専門医に診断してもらうことが大切です。

研究中の治療法
遺伝子治療、網膜幹細胞移植、人工網膜などの研究が世界中で進行しています。
網膜の神経保護を目的とした点眼薬の研究も行われています。

現在の対応
羞明に対しては、紫外線や青色光線をカットする遮光眼鏡が有効です。
白内障を合併した場合は、通常の手術が適用されます。
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